リノベーションのメリット・デメリット

最近では、家族構成や生活スタイルの変化に合わせて、住宅の性能を向上させる工事が注目を集めています。これは「リノベーション」に分類され、住みやすさを高めるメリットがありますが、もちろんデメリットがないわけではありません。あまり調べずにメリットだけを見てデメリットを見ずに工事に着手してしまうと思わぬことが起こることもあるので注意が必要です。

ここでは「リノベーション」が持つメリットとデメリットについて説明します。メリットとデメリット両方を十分に理解したうえで「リノベーション」を検討しましょう。

リノベーションのメリット

自由に設計できる

注文住宅を新築するときは別ですが、これまでは住宅に合わせて人間が生活スタイルを変えていたように思います。
しかし、住宅が人間の生活スタイルに合わせて変わっていくのが本来の姿なのです。

そのため、「リノベーション」で自分たちの望む生活スタイルが送れるように、住む人の生活スタイルに合わせて建物を変化させるという考え方が広まってきています。もし、建売の住宅や中古の住宅を購入して住むのなら、自分で内容を好きに変更できません。

しかし、内装に強いこだわりがあり、自分たちの生活スタイルに合わせて変更したいのであれば「リノベーション」はおすすめといえます。間取りを変えて、広々としたリビングを作ったり、逆にプライバシーを重視して個室を作ったり、システムキッチンを設置するなど、画一的な住宅では実現不可能な、生活スタイルにあった住宅の実現が可能です。

物件の選択肢が増える

最初から「リノベーション」を前提として考えれば、中古の住宅なども選択肢に入ります。現在、中古物件の数は増加傾向にあり、物件によっては築年数の浅いものも存在しています。新築の物件とは違い、建物の価格が安くなるため、そのぶん「リノベーション」に予算を充てることも可能です。

例え、間取りや内装、設備機器が条件を満たしていなかったとしても、あまり気にする必要はありません。
「リノベーション」によって、ある程度の条件はクリアできることになります。

新築を建てるよりもコストをおさえられる

同じ条件で、新築の住宅を建てる場合の費用と、中古の住宅を購入して「リノベーション」する場合の費用を比較してみると、中古の住宅を購入して「リノベーション」したほうが、20%~30%程、費用を安く抑えられることが多いです。

また、中古物件の条件にもよりますが、新築より安く理想の住空間を手に入れられる確率もあがります。

リノベーションのデメリット

築年数が長いために耐久性に不安

中古物件を購入する場合には築年数に注意しなければいけません。特に、1981年6月には耐震基準の大幅な法改正が行われたため、それ以前に建築確認を受けた建物ですと、現在の基準を満たしていない可能性があります。

現在の耐震基準を満たすために耐震改修が必要となり、かなりの費用がかかってしまうことがあります。これでは、せっかくの費用をおさえることができるというメリットを活かせなくなってしまいます。
ただし、法改正前に建てられた建物だとしても、改正を見越して新たな基準で設計されていたり、そもそも基準よりも高いレベルで設計されたりするものもあるので、不安を感じる場合は詳細の調査と診断を行うことで現状を把握することが可能です。

住むまでにある程度時間が必要

一般的に中古物件を購入する場合には、自分に適したものを探して購入し、引き渡しが行われた後に住みますが、「リノベーション」の場合には、引き渡しまでの間に建物検査・設計・施工などの作業が加わります。 また、建物に強いこだわりを持っていると、設計士との打ち合わせにも十分な時間が必要で、結果として完成させるまでには多くの時間がかかってしまいます。

強いこだわりを実現するには、設計士との打ち合わせは必要不可欠なので、忙しくて打ち合わせの時間が十分に取れないという方や一刻も早く住み替えたい方には、適切ではありません。

ローンの金利が高くなりがち

中古の物件を購入し「リノベーション」を行う場合にローンを利用しようとすると、「リノベーション」の費用には一般の住宅ローンが利用できないため、住宅ローン以外に別途、リフォームローンを利用する必要があります。

リフォームローンは金利が一般の住宅ローンよりも高い傾向があるため、総じてローンの金利が高くなります。さらに、購入後に工事がはじまるため、工事の間の家賃など二重払いが発生する場合もあり、資金計画をしっかりと立てる必要があります。

なお、「リノベーション」済みの物件の購入であれば、住宅ローンのみで済むため、「リノベーション」済み物件も選択肢の一つとして検討してみるのも良いかと思います。